特集 進化する訪問看護ステーション (日経ヘルスケア21)

2001年06月08日
特集 進化する訪問看護ステーション1
特集 進化する訪問看護ステーション2

[[ 所長が全利用者宅を訪問、サービスの質を維持 ]]
(株)アクティブ・ケア(札幌市東区)

 北海道に2ヶ所、九州に4ヶ所の訪問看護ステーションを展開する(株)アクティブ・ケアは、民間企業では珍しく、94年という早い時期から訪問看護に携わっていた。当時、民間企業が事業所を経営することは許さ れいなかったが、医療法人が看護婦を手がける際のコンサルティングをしていたという変り種だ。

 社長の阿比留氏は同社を創設する以前に、医療機器メーカーの営業マンをしていた。同氏はもともと九州出身で、営業マンとしてのキャリアの始まりも九州だったが、途中、北海道に転勤。事業所が北海道と九州という互いに離れた地域にあるのはそのためだ。

 同氏は営業マン時代から、病医院の医師達との個人的な付き合いを重視してきた。現在、同社の1事業所 あたりの利用者数は50人強で、月間の訪問回数は400件ほど。利用者は、当時付き合いのあった医療機関 からの紹介が中心だ。なお、訪問看護婦数は、1事業所あたり常勤4人と非常勤1人程度だという。今年5月からは訪問介護事業も開始し、生活面のケアも充実させていく考えだ。

<–月2回の割合で勉強会を開催–>

 訪問看護事業が軌道に乗っている理由としては、同社が利用者本位のサービス提供を重視していることが 上げられる。このやり方には、利用者と看護婦が顔見知りとなって、意思の疎通が容易になるメリットがある。しかし、利用者を一人の看護婦の視点からしか見られない、利用者と看護婦の間にトラブルが生じた際に、それを事業所として把握するのが難しいなどの欠点もある。そのため、各事業所の所長が月に1回すべての利用者を訪問して、苦情や意見を聞いて回るようにしている。

 また阿比留氏は、「訪問看護はベッドサイドから始まるのではなく、玄関先からすでに始まっている。そうい う意識改革を看護婦全員に徹底している」と、自社のサービスの質に自信をのぞかせる。「利用者にサービ スを利用していただくという気持ちを持って、最初に顔を合わせた時の礼儀・作法からしっかりやるべきだ」というのが基本的な考えだ。

 各事業所では、月に2回の割合で症例検討会や勉強会も開催しているという。さらに、最近では、訪問看護に取り入れていこうという事で、理学療法士を講師に招き、自社の訪問看護向けの勉強会を開いた。

<–HPを利用し病医院との連携を促進–>

 同社では、訪問看護専用の「病・診・在Web看護情報システム」も開発した。訪問看護は、看護婦と 主治医の連携が大切であるのはいうまでもない。このシステムは、その連携を密にするために、インターネットを経由して訪問看護ステーションと主治医が患者のデータをやり取りするというものだ。

 事業所側からは所定の訪問看護報告書やADL評価表、利用者のサービス利用実績などを提示でき、主治医はそれを閲覧してコメントを返信することが可能だ。特別なソフトウェアを必要とせず、通常のインターネット経由で同社のホームページにアクセスし、パスワードを入力してさえいれば、自信の患者の分につ いてデ ータを見ることができる仕組みになっている。阿比留氏は、「いつでも簡単に書き込み・閲覧ができ、情報交 換が容易になったため、主治医との関係強化に役立つはず」と、このシステムに期待を寄せる。

 まだ試験段階だが、札幌市と熊本市にある同社の訪問看護ステーション2ヶ所で運用を開始しており、それぞれの事業所で3人ほどの医師が既にシステムを利用しているという。